2021年12月1日に「共生社会が生み出す障がい者のパワーを企業の競争力に」をテーマにACEフォーラム2021を開催し、顕著な活躍を行なった障害のある社員をロールモデルとして表彰する「ACEアワード2021」の発表と表彰式を行いました。
ACEアワードは、ACEの目指す「企業の成長競争力強化に資する障がい者雇用」という観点から、そのモデルとなる事例の募集、発掘を行い、今年度も昨年に引き続き「個人部門」および企業による「環境づくり部門」の募集と選定を行いました。さまざまな活躍事例の共有に主眼を置き、実積・成果・活躍に向けての努力が優れている事例を幅広く紹介することで以下のような効果を期待します。
・各会員企業内でさまざまな活躍をしている障がい社員が発掘されるきっかけとする
・被表彰者が自信を持ち、さらなるモチベーションアップにつなげる
・企業の取り組み事例がACE内外に共有される
・会員企業が事例を参考にして、より一層障害のある方々にとって働きやすい環境づくりに努める
・さまざまな障がい者の活躍事例が発信されることで、これから社会に出る障害のある方々に就労での活躍を想起しても
ACEアワード2021の受賞者・受賞企業は、以下の方々・企業です。表彰状のプレゼンターは、山口明夫 代表理事。(日本アイ・ビー・エム株式会社 代表取締役社長)
<個人部門>
イノベーティブ賞
株式会社KDDIチャレンジド
福田 友輝さん
発達障害があり会話でのコミュニケーションが苦手のなか、KDDI株式会社から受託した ホームページやツール作成の業務を担当。電子帳簿保存法対応に向けたVBAツールの作成など困難な案件にも臨機応変に対応しました。
グレートエフォート賞
清水建設株式会社
髙橋 威雄さん
髙橋さんは、土木技術者として主に鉄道や高速道路関連の工事現場支援業務に従事。難工事の工程確保と安全遵守に尽力することにより、その後、超難関の技術士の資格取得にその経験がいかされました。聴覚に障害があるため、伝達などに困難はありますが、多大な努力により周囲から信頼される存在です。
未来賞
株式会社JTB
井浪 健さん
入社2年目の井浪さんは 営業推進課で国内団体手配を担当。JTBグループで障害のある社員が意見交換や議論をする 『チャレンジドサミット』にて、『聴覚障害のある社員は営業ができない』という思い込みを払拭するプレゼンを行い職域の広がりの可能性を訴求しました。
コミュニティビルダー賞
EY Japan
岡本 梨花さん
聴覚障害がある岡本さんは、大学時代に習得したITスキルを活用してマクロを開発し、数千件のメール送信事務の効率化に大きく貢献。「聾の文化をもっと知ってもらいたい」と社内の聴覚障がい者の仲間と手話講習会の立ち上げ、また、人事システム移行時のテストを主導するなど、人事データのスペシャリストとしてキャリアを重ねています。
<環境づくり部門>
ブルームバーグ L.P. Tokyo Abilities Community
「産学協業のインクルーシブな 障がい者ガイドライン作成」
代表:高橋 弦也さん
慶應義塾大学・塩田研究会の学生と障害のある社員を含めた有志社員による10名以上のコミュニティメンバーとともに「障がい者雇用ガイドライン」を作成。精神障害、発達障害、 聴覚・視覚障害、身体障害の4つ観点からより実用的なガイドライン策定のための産学協業を行いました。
EY Japan / EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社
「発達障がいの雇用に関わるプロジェクトについて」
代表:佐々木 惠美子さん
精神・発達障がい者の雇用実績・経験が少ない職場において、主に発達障がいのある社員のチームの新規立ち上げを行い、障害のある方々の活躍環境を構築しました。募集からインターンシップ、採用までを新規に展開し、入社後の定期的な面談などのケアも充実しています。
日本航空株式会社
「障がいのある社員による挑戦の促進 「社員向けネイルルーム」の開設」
代表:上野 桃子さん
特例子会社である株式会社JALサンライトとともに、障害のある社員の活躍を推進。JALグループのD&Iの一環として、「美容に着目した新たな職域開拓」という考えの下、2021年3月に、社員向けのネイルルームを羽田地区に開設し、才能や能力を活かした新たな活躍領域の拡大に挑戦しました。
ACEフォーラムの開催内容の詳細、ACEアワード事例の詳細は、「ACEフォーラム2021レポート」に掲載しました。またフォーラムのダイジェストを動画でご覧いただけます。