感謝の気持ちを忘ず、自ら発信する大切さ
第4回ワイガヤセミナーをオンラインで開催

一般社団法人企業アクセシビリティ・コンソーシアム(以下、ACE)は、2022年3月9日に第4回ワイガヤセミナーを開催しました。前回同様コロナ禍の状況を鑑みオンラインで開催しました。
ワイガヤセミナーは、形式張ったビジネス・セミナーではなく、ざっくばらんにワイワイガヤガヤと普段考えていることを共有する新しい形のセミナーです。他社の障害のある社員とのネットワーキング作り、自身が成長するために考える機会の提供、障害のある当事者とともにACEの今後の活動を考えることを目的としています。ワイガヤセミナーの企画・運営は、すべてACE会員企業メンバーが行っています。
今回は、ACE会員企業14社から身体障害のある方7名、精神・発達障害のある方12名の計19名にご参加いただきました。
また障害のある社員のキャリアのロールモデルとして、株式会社JALサンライト(以下、JALサンライト)の山本 泰一さんに講演をいただき、山本さんにもその後のグループ・ディスカッションにご参加いただきました。

感謝の気持ちを忘れない、それが継続的なサポートへ

2017年ACEアワード特別賞を受賞され、第1回ACEミニフォーラムにもご登壇いただいたJALサンライトの山本 泰一さんに「感謝の気持ちを持つ 〜JALフィロソフィより〜」と題してご講演いただきました。JALの軽音楽部でベースも演奏される山本さんは、現在、JALサンライトの総務センター給与グループで17名のメンバーとともにJALグループ社員の給与業務と出向精算業務を行っています。先天的に筋肉が弱い病気で、現在車いすを利用されていますが、JAL /JAS(旧:日本エアシステム)統合や新給与システム移行に携わった経験が評価され、管理職に昇格されました。

今回、JALのサービスや商品に携わる全員がもつべき意識・価値観・考え方として策定されたJALフィロソフィをご紹介いただきました。「JALフィロソフィは、仕事の仕方ではなく、人間としての生き方を説いています」と語る山本さん。JALフィロソフィは手帳として全社員に配布され、社員は常に手帳を携帯し判断に困った時には、この手帳をもとに何が正しいかを熟考しています。

全部で40項目あるJALフィロソフィは、社員一人一人が好きなフィロソフィを持っているそうです。山本さんが好きなフィロソフィは、こちらの3つ。
・ものごとをシンプルにとらえる
・地味な努力を積み重ねる
・渦の中心になれ

そして、まだまだ自分には足りていないと分析するのは下記3つ。
・土俵の真ん中で相撲をとる
・感謝の気持ちを持つ
・スピード感をもって決断し行動する

特にその中で、「感謝の気持ちを持つ」ことの大切さを訴えられました。今自分がこうして働けるのは、お客さまや関係者、同僚や家族など周囲の多くの皆さんの協力やサポートのおかげ、常に感謝の気持ちを忘れないことが日々生活や仕事をする上でも大切と話されました。
例えば、街中で障がいのある方へお手伝いしましょうかと声をかけてくれる人がいます。助けを求めていない時もありますし、その申し出が的外れのこともあります。それでも、その人は勇気をふりしぼって声をかけてくれたはず、その想いに応えるべきです。会社でのサポートも毎日だと当たり前だと思っていませんか?それは当たり前ではないです。あなただからサポートしてもらえている、と肝に銘じるようにしていますと山本さんは締めくくりました。

聴講した参加者より、「周囲に感謝を伝えていなかったことに気付かされた。」、「“感謝を忘れない”が印象に残りました。感謝の気持ちを伝える事が社会からの継続したサポートにつながると感じました。」、「義務感からではなく、自然と感謝を伝えられる人になりたいです。」と感想が述べられました。

自ら発信して職場を、会社を、社会を変えていく

小グループに分かれてのディスカションでは、「職場の取り組み事例紹介」とそれを踏まえて今後「よりよい職場にしていくために」どうすればよいかの意見を交わしました。議論された内容は、各グループ参加者の代表により発表いただきました。

職場の取り組み事例としては、上司が積極的にコミュニケーションをとってくれる、体調を崩したときにサポートや長期のリカバリー計画を立てくれた、障害の有無に関わらず助け合う雰囲気や意見が言いやすい環境、特別扱いされずさまざまな業務にチャレンジさせてもらえる職場風土ができていると紹介されました。
また、車いすユーザーに対するバリアフリー化の推進、時短勤務やテレワークが可能な労働環境が整備されている、そして、障害のある社員とアライによるコミュニティ、交流会などの社内イベント、聴覚に障害のある社員による手話勉強会など社内ネットワークの事例も紹介されました。

現状を踏まえ、さらによりよい職場にしていくために会社に望むことが議論されました。
・各個人に応じた業務環境の整備や障害特性を活かした業務のアサイン
・円滑なコミュニケーションができる職場環境づくり
・キャリア形成のためのロールモデルの提示
・障がい者同士が意見交換・相談できる場やコミュニティの支援
・障がい者とアライやサポーターのコミュニティの支援。組織の枠を越えた繋がりを重視。
・会社経営層の理解促進と役員からのコミュニティ醸成の支援

そして、本日の山本さんの講演の内容を振り返り、自分たち自身がやるべきことも議論されました。
・自身の周りの環境から変えていくために、知りたいことや知ってほしいことがある場合は、積極的に自ら発信する
・ワイガヤセミナーなど会社の枠を越えたイベントに積極的に参加して、他社の情報を互いに自社で活用していく
・他社の障害のある社員と交流できるコミュニケーションのプラットフォームを構築する

どのチームにも共通した意見は、「自ら発信することの重要性」でした。必要な合理的配慮は何か、その上で自分たちが能力を発揮できることは何か、支援への感謝に応え、企業の成長に貢献できることを今後もっと社内外へ発信しこうとアピールされました。

ACEでは、引き続き会社の枠を越えて障害のある社員が集うワイガヤセミナーを開催し、ネットワークづくりとキャリア形成の推進を支援していきます。

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