一般社団法人企業アクセシビリティ・コンソーシアム(以下、ACE)は、2019年7月12日に障害のある社員が企業の枠を超えて集い、他社社員とのネットワークの醸成、自身が成長するための機会とする第一回ワイガヤセミナーを開催しました。
これは、合宿形式で行われたACEオフサイト・ミーティングの分科会から出たアイデアで、形式張ったビジネス・セミナーではなく、ざっくばらんにワイワイガヤガヤと普段考えていることを共有しようという願いを込めて実施しました。
ポジティブに伝えることから始まるコミュニケーション
会場となった損保ジャパン日本興亜日本橋ビルに約20名の参加者が集まり、ACE会員企業メンバーのモデレーターとともにグループに分かれて、「障害がある方が本当にわかってほしいこと・学校教育に求めること」、「ACEのような団体に求めること」と大きく二つのテーマでディスカッションを行ないました。開催模様の動画をご覧ください。
職場にて、同僚が気にかけるのは、障害について聞いていいのかということ。障害について周りに言いたくないという人もいるが、企業でチームとして仕事を遂行するには、どういう障害があるのか告げることは重要だとする意見が大勢を占めました。伝えないと分からないので、自分の障害を周囲に分かりやすく伝えることが相互理解。「〜はできません」ではなく、「〜の支援いただけたらできます」と伝える、そのようにポジティブに伝えることを意識すると周囲もサポートしやすくなり、それが組織として活動をより良くするとのコメントがどのグループからもありました。また、障害があるが故に自分にチャンスが来ないのは不公平。障害の部分のサポートを提案してもらった上で、そこからのチャンスは平等にしてほしいとの意見もありました。
ACEの活動をさらに推進するために
ACEのような団体の活動への期待について、企業で現在働いている社員だけではなく、就職を考えている学生にももっと情報を提供してほしいとの意見が出ました。自身が学生の頃、「障がい者枠」で企業に入社できることを知らなかった、セミナーなどでそうした情報を共有していただき、まずは障害があっても企業で働けるのだということを周知するのが重要との指摘がありました。
ACEの活動は、社会的な意義があり果たせる役割が大きい、活動内容を障がい者のみならず健常者に知ってもらうことがより大切。そのためにはもっと会員企業を増やし、中小企業へのアプローチ行うべきと提案がありました。
参加者からは、社外の人と障害について話す機会がこれまでなかったので、とても有意義だったとコメントをいただきました。モデレーターを担当したACE会員企業のメンバーにとっても、企業の枠を超えて情報・意見交換ができ、今後の活動の糧となる貴重な機会になりました。
文・写真:栗原 進