個人部門特別賞 コミュニティビルダー賞
EY Japan/EY Japan株式会社 岡本 梨花 (おかもと りか)さん
岡本さんは、ご本人が0歳のときにご両親が聴覚障害に気づき、補聴器を付けて音を聞かせ、発音を意識的に訓練する教育方針のもと成長しました。高校1年生まで普通校に通い、その後、聾学校、筑波技術大学に進学しました。
新人時代は障がい者としてではなく、他の新人社員と同様に厳しく指導されたことで、「プロフェッショナルとして成長したい」と強く思ったそうです。大学時代に習得したITスキルを活用して、マクロを開発し、数千件のメール送信事務の効率化に大きく貢献しました。
「聾の文化をもっと同僚に知ってもらいたい」と2018年に社内の聴覚障がい者の仲間と手話講習会を立ち上げました。メンバー同士の特技を活かして、コンテンツを考える人、説明する人、見本を見せる人など分担しプログラムを運営しました。
人事システム移行時のテストを主導するなど、 人事データのスペシャリストとしてキャリアを重ね、 2021年10月に昇格。 所属するチームの週次勉強会の運営を担うなど、 仕事の責任も増しています。
岡本さんは、社内のオンラインラジオ体操イベントでEY Japan所属のデフアスリート石田考正さんの手話通訳を務めるなど、健聴者と聾の橋渡し役になっています。
岡本さんは「最近はデジタルツールが普及しライブキャプションを活用しやすくなったため、情報理解が深まり、感動しました。情報理解が深まると、聴覚障がい者の活躍の幅ももっと広がるので、多様な人材がより活躍できる方法をみんなと考えていきたいです」と話しています。
受賞コメント
この度は、輝かしい賞をいただき光栄です。こうした栄誉ある賞をいただけたのは、私一人の力ではなく、今まで指導し育ててくださった先輩方や日々支えてくださっている周りの方々のおかげです。本当に感謝申し上げます。
私は、生まれつき聴覚に障害があります。手話講習会を通じて、私たち聴覚障がい者が手話を皆さんに教えることで、手話を知っていただくきっかけに、また皆さんとの交流の場にもなり、聴覚障害のことをよく知っていただけるようになりました。
この度の受賞を契機に、障害があるからこそ自分ができることは何か、どうすればより良い社会になるかを考え、今後も精進してまいりたいと思います。ありがとうございました。
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