新型コロナウイルスによる障がい者の働き方への影響を共有
ミライロ様をゲストにACE定例会をオンラインで開催

ミライロ様ご講演

一般社団法人企業アクセシビリティ・コンソーシアム(ACE)では、会員企業による定例会を実施し、各活動内容の報告と共有、障がい者雇用関連の勉強会を行っています。2020年5月22日に開催した定例会は、新型コロナウイルス感染拡大の影響を考慮しオンラインで開催しました。
ACE定例会では、教養講座として外部からのゲスト講師を招いて会員に対する勉強会を行っています。今回は、株式会社ミライロ 事業推進室 合澤 栄美 様より、同社が3月に行った「新型コロナウイルスによる障がい者の働き方への影響」の調査結果をご紹介いただきました。
調査結果で最も特徴的だったのは、「ウイルスの流行に伴い、困った経験」に関する設問に回答した、聴覚障害のある方の9割が「マスクの使用によるコミュニケーションの悪化」について触れたことです。感染予防のため多くの人がマスクを着用し、口の形を読み取って会話することが困難という意見が多く寄せられました。

また、肢体不自由や視覚障害のある方からは、日常生活で物を触って確認することが多いため心配という声が多数ありました。
多くの企業でオンラインによる在宅勤務が進む中、通勤の困難から解放されるメリットがある一方で、オフィスでしかできない仕事に従事している、自宅のIT環境に各種支援ツールが導入できない、リモート会議の音声が聞こえにくいやディスプレイに表示される資料が見えないなどの意見が寄せられていました。在宅勤務は、発達障害のある方には、集中できる環境が作れず仕事が思うように進まないとの声もありました。

今後、アフターコロナの働き方は、自宅など遠隔地から参加する会議やイベントが増えていくと考えられます。その中で障害のある方への情報提供もきちんと行われねばなりません。そのための情報保障として、メインのスピーカーとは別に手話通訳者の画面や音声認識の文字表示を行うなどのデモンストレーションも行われました。

参加したACE会員からは、「タイムリーな話題であり多くの気づきがあった」「障害の特性によりケアすべき点が異なり、視覚や聴覚障害のある方への対策は取っていたが、肢体不自由の方の観点が実際の調査結果から見え大変参考になった」「リモート会議や在宅勤務が進み、コミュニケーションが希薄になる中、メンタルの面のケアも必要になると思った」などの意見が聞かれ、会員企業各社の今後の取り組みに大いに参考となりました。

ミロイロ様の調査結果の概要は、こちらからご覧いただけます。
https://www.mirairo.co.jp/information/post-00001

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